業務遂行能力を基準とした職能給とは

職能を身に着けて更に高みへ
職能給について

職能給について

職能給とは

職能を生かして仕事をしていくために知っておきたい、職能給について紹介していきます。職能給とは、業務上必要な知識や経験、技能や資格などの業務遂行能力を基準に賃金を支払う賃金制度のことで、リーダーシップや協調性、またはストレス耐性などの潜在能力も評価の基準となります。これらは仕事をしていく中で成長していくものとして、勤務年数で区分・序列化されるものとなっています。
職能給は高度成長期(1960~1970年ごろ)から安定成長期に移行する際に、それまで集団主義的な労働関係を見直すために導入されたもので、バブル崩壊(1990年初頭)まで多くの企業で実施されてきました。実際には終身雇用と年功序列を前提とした制度となっていますが、バブル崩壊とともに今のままでは人件費が高騰し若い人材の確保が難しくなるという理由から、職能給を取り入れる企業は減少傾向にあります。

メリット

上述でも説明した通り、職能給の場合は勤務年数に応じて向上していくと定義される業務遂行能力が重視されるため、勤務年数に応じて高い処遇を受けることができます。つまり、同じ職場に長く勤め続けることで昇給の機会を得ることができるのです。また、職能給の場合だと労務・人事管理の負担が少ないというメリットもあります。職能給を採用していない場合だと、従業員それぞれの職務を分析・評価しなければならないため、人事の負担はそれだけ大きくなります。加えて副次的なコストも増えることになってしまうので、その点を考えると勤務年数に応じた判断ができる職能給だと、これらの負担やコストを軽減することができるというメリットがあります。

デメリット

職能給は勤務年数を基準に業務遂行能力を判断し、それに応じて処遇や手当が決定していくことになるで、いわゆる年功序列となります。そのため、従業員の年齢が高くなればその分だけ人件費が増えていくことになります。勤務年数が基準になるということは、役職やポストに関わらず賃金が高くなっていくことになるので、従業員のモチベーション低下につながり生産性の低下を招きやすいというデメリットがあります。
また、一度上げた賃金を下げることも困難なため、人件費を抑えることができなくなってしまいますし、業務量の多い若手従業員のモチベーション低下にもつながります。自分よりも業務の少ない先輩社員が、勤務年数が長いというだけで給与が高いというのは納得ができないという不満が出てくるのです。優秀な若手がいたとしても、成果ではなく勤務年数で評価されてしまうため、後進育成が上手くいかなかったり早期離職につながってしまうというデメリットがあります。

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